6月の工房日記(第102号)

今年も御中元の時期がやってきました!いきなり商売の話で申し訳ありません。贈り物に食用油は一般的なのかなと思っておりますが、圧搾法による昔ながらの菜種油は、いただいた方はどう思うのでしょうか?私はこの仕事をする前は、油について気にしたことはございませんでした。20代という若さもありましたが、そもそも油って何からできていて、どのように作られているかなんて気にしていませんでした。そんな20代の知識のまま40代になったとして、健康にも少し関心が高まってきた今、菜種油が届いたらなんだこれは!と思うかもしれません。圧搾法の油は極めて少ない量しか流通していませんので、気にしてお店の棚を見ていないと、視界には入ってこないものです。高級スーパー以外では棚にすら並んでいないことが多いです。そんな弊社の菜種油ですが、食に関心の高いお客様に見つけていただいてどうにか事業を続けてくることができました。中には、いただいて良かったから注文します、といった嬉しいお電話をいただくことがあります。弊社の菜種油は、特産品を作ってこれで地域おこしをしよう!といったよくありがちな発想からではなく、地域の先輩方が昔食べたあの菜種油をもう一度食べたい、そのために菜の花を栽培しよう。収穫した種は昔からの油屋さんを探して搾ってもらおうと自給の考えがもとになって栽培がどんどん増えていきました。その過程で、この地域にも油屋さんがあればいいのに。誰かやってくれるなら応援するよと農家さんに背中を押していただいて現在があります。まずは自分が食べたい。多く作ったら欲しい人に譲ってもいいんじゃない?という栽培を広げてくれた先輩方の思いを大切に今月で19年目を迎えることができました。みんな19歳年を取ってしまい、栽培面積は増えてはおりませんが初心を忘れずに事業を継続してまいります。贈答品に使っていただけることで、菜種油の存在を知らなかった方の気づきにもつながり、消費が増えることで豊かな食文化と、景観を後世に繋いでいくことができます。今年も御中元に菜種油のご注文をお待ちいたしております。